オンギロン 169【ドラマ用の日本語 5】

注 / この記事は アメブロの記事 からの続きです。

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「演技」とは「リアクションの連続」です。

 莫大な数の「リアクション」の山の中からその「台詞」に最適な行動を選び出しておいて、上手くつなぎあわせて並べた「線」が「演技」になるのです。

「声優」の「個性」や「キャラクター」とは、多くの「声優志望者」が誤解しているような「声」や「ルックス」の組み合わせでは決まりません。最終的には「リアクションとリアクションの組み立て方」が見られます。少なくとも「プロ」の世界ではそうです。


「リアクション」を含まない「言葉」は「下手な音読」にしかなりません。どう頑張っても「台詞」にはなれないのですが、この流れは「アニメーション」の原理ととてもよく似ています。

「アニメ」は「絵」の枚数が減るほど動きが固くなってどんどんチャチになってしまいますが、「演技」もそれと全く同じです。「再現できるリアクション」の数が少ない人ほど、固くてチャチな「演技」になってしまうのです。

「読み上げる、しゃべる」という、たった2個かそこらの行動で組み立てられる「役」はありません。

- 空気を読む能力 -

 それでは、なぜ「リアクション」のストックが多い人と少ない人に分かれてしまうのでしょう?

 それは「志望者」が「社会人」としての教育をどれくらいちゃんと受け入れてきたかによります。他人とどれくらい緻密につき合ってきたかという経験値に大きく左右されてしまうのです。

「人は人と関わった時にどう反応するか?」

 人と人とのコミュニケーションの経験値が少ない人には「登場人物」を組み立てる事ができません。「自分」のためにしゃべるだけです。「普通の人」が印刷された文字列を読み上げただけでは「ドラマ」は生まれません。人がお金を払いたくなるような「魅力」があふれ出す事もありません。


 人と人との関わり合いをドラマチックに再現するためにまず必要になるのは何でしょう?

 相手の様子や、相手とのやり取りの流れを感じる力、いわゆる「空気を読む力」です。

 それまで読み取ってあった「コミュニケーション(リアクション)」をどうつなげるか? そしてそれをどう再現するかで「声優」としての「上手い、下手」が決定づけられるのです。

 もちろん、「ちゃんとしゃべれるか?」という最終的な伝達能力も重要ですが、それは「何を伝えるか」という一番最初の原動力が埋まった後の課題です。原動力の無い空っぽの言葉の羅列で人の心を打つ事はできません。


- 子役の「天才」の理由 -

「声優になりたい」という気持ちがどんなに強くても、その力はあなたの中で強いだけですからみんなが納得できるような「役の原動力」としては使えません。

「中学を卒業したら即養成所に入って声優を目指した人」がほとんど生き残れないのは、中高生くらいだと「コミュニケーションのストック」が足りなくて、「台本」を読んだだけでは「リアクション」がなんにも浮かんでこないからです。一方、「人間関係の取材力」に恵まれた人だったら、年令や学歴に関係なく「演技する」事ができます。

 何年かに1回くらいに現れる「天才子役」が本当にすごいのは、「できる」とか「上手い」という点ではありません。「見えていた」という観察力や記憶力がすごいんです。

シャベルテック

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