173 声優になれない呪文 その2

『声優になって…を見返してやる』

 楽しみたくてテレビを点けた視聴者に、あなた個人「敵愾心」をぶつけても共感してはもらえません。それはいわゆる「誤爆」です。

「声優」は「自分の気持ち」を吐き出している訳ではありません。あなたが登場人物に自分の気持ちを代弁してもらったような気になれたのは、「声優」ではなく「原作」や「脚本」が優れていたからです。

「声優」や「俳優」は、自分の心や肉体を材料にして「役」という架空の存在の実体化を請け負う「職人」です。アーティストと言うよりも「イタコ」  とか「依り代」 に近い職業です。自分ではない「他人の人格」を丸ごと1人分引き受けるのですから、「本人」の思いや目的は邪魔になります。


『しゃべりで食ってく』『しゃべりを仕事に』

「しゃべっている」という表面しか見えていないとしたら「声の演技」は無理かも……


『本気で…』『一生懸命…』『やる気はあります』

 そうでない人が1人もいない世界なんですから、そこをアピールしたって「頭が悪いんだな」と思われるだけです。「なりたい」というファン心理を「やる気」と勘違いして始めてしまった人は、1人の例外もなく自分の「やる気不足」に裏切られて敗退しています。あなたは?

 自分好みの「役」じゃないと「やる気」が出ないコドモではありませんね? 


『入りやすい、厳しくない、なりやすい…
   …養成所はどこですか?』

 倍率数十倍の「買い手市場」に対して自分の方から条件を提示できると思っている時点でもう終わっています。たとえどんなに素晴らしい「養成所」に行ったって、あなた自身に「才能」が無かったら「声優」にはなれません。

 だから、どこかの質問掲示板で「ウチの近くで良い養成所はありませんか?」という質問を見かけた時には驚きました。読み返してみたら投稿者が本気だったのでもっとビックリしました。


 『どれくらいで声優になれますか?』

 それは「あなたの才能」次第ですから、こちらからはっきり申し上げる事はできません。ですから、どうかお願いですから、勉強を始める前にあんぽんたん「成功計画」を立てるのだけはやめてください。3ヶ月掛かるトレーニングをあなたの気合いで1ヶ月に縮める事はできません。

 どうも「コツを習いさえすればできるようになる」という迷信が蔓延しているらしいのですが、「役作り」は役ごとにやり方が違うので、1役か2役分のやり方を覚えたくらいでは「仕事」になりません。「声優」として選ばれるのは「役」ごとに自力で答えを捜し当てられる人です。これを言うと皆さん嫌な顔をなさるのですが、「コツ」ではなく「数」なんです。


『最低何点取れば?』『最小限必要な事は?』

「トップ数人」しか選ばれない競争に参戦するのに、なぜ最後尾の情報が欲しいのですか?

 強いて言うなら最低点は「全教科満点」です。その先に現れるのが「才能」です。


『すぐ消える声優にはなりたくないのでじっくりと…』
『基礎を丁寧に教えてもらえば…』

 ドラマの制作進行は視聴者が想像しているよりもずっと速いので、なんやかやと時間の掛かる人は敬遠されます。「声優」は、全体を把握してから行動したい人や、手取り足取り教えてもらいたい人には向いていない仕事なのです。

 経験上、どんなに丁寧にお世話をしても「種(才能)」の入っていない土から芽が出る事は無いと断言できます。確実に「芽」を出したかったら「養成所」に行く前に自己負担で「種」を仕入れておかなくてはなりません。「種」が何か分からない人は……


『アニメをたくさん観て勉強しておかないと……』

 その「勉強」が役に立つのは「テレビを観ている人」を演じる時だけです。

《続く》

シャベルテック

必ず何か見つかる最小最強の声優教室

0コメント

  • 1000 / 1000